「マイ・ブルーベリー・ナイツ」 ウォン・カーウァイ 2008年

2008年03月28日
すれ違い。新しくできた恋人。束縛されない自由な自分でいたい。恋人が別れる理由なんてものはないんだなと思った。出会いがエゴなら、別れるのもエゴ。理由を探し始めると、たぶんつらくなるだけなんだろう。気持ちを入れ替えて元気になっても道端で相手と遭遇してまた落ち込んでしまう。それの繰り返し。そういうときは手紙を書いたり、仕事をがんばって気持ちを誤魔化したり、あるいは遠くに長い旅に出たほうがいいのかもしれない。

『マイ・ブルーベリー・ナイツ』を観た。人の心を優しく包み込むような映画だった。素晴らしいの一言。胸が熱くなるというか、とても感情移入して映画を観てしまった。いつも売れ残り、捨てられるブルーベリーパイに、自分を重ね合わせてしまう女の子をノラ・ジョーンズが演じている。「アイスクリームといっしょにブルーベリーパイを食べたら美味しいよ」とジュード・ロウが言う。要は「組み合わせ」の問題、それは「恋愛」に似ている。アイスクリームとブルーベリーパイがどろどろと溶け合う映像が非常によかった。

「警官」とか「飲食店のカウンター」とか「失恋」とか「行方不明の恋人」とか「手紙」とか「合鍵」、ウォン・カーウァイの『恋する惑星』でお馴染みの要素が『マイ・ブルーベリー・ナイツ』にはつまっており、この感じが懐かしくて途中で何度も泣きそうになった。何よりノラ・ジョーンズの『ザ・ストーリー』という曲がよかった。劇中でイントロが流れただけで、泣ける。泣ける、という言葉は陳腐過ぎるけれども、本当に泣ける。

スイーツを題材にしているところが何より素晴らしい。甘いものは好きです。食べたくなった! 雰囲気を味わいましょう。それさえあればいい。
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